アートオークションの仕組みを解説|初心者でもわかる参加・出品の手順
アートオークションに興味があるけれど、仕組みや流れに不安を感じていませんか?
どのように参加し、出品や落札を進めればよいのか、手数料やリスクはどのように管理すればよいのか、疑問が尽きないですよね。
アートオークションは、単なる取引の場ではなく、投資や美術品収集の魅力的な手段でもあります。
本記事では、アートオークションの基本的な流れや参加方法、出品の際の注意点、そしてオークションハウスの選び方を詳しく解説します。
オークションの仕組みをしっかりと把握し、自信を持って次のステップに進みましょう。
アートオークションの仕組み
アートオークションは、美術品売買の舞台として、世界中の富裕層から注目を集めています。ここでは、オークションの基本的な仕組み、流れ、価格設定について、わかりやすく解説します。
オークションの流れ
アートオークションは、作品の出品から落札まで、いくつかの段階を経て進行します。
以下に流れをまとめました。
①出品作品の募集
オークションハウス(オークションを主催する会社)が作品の出品者を募集します。
②作品の査定とカタログ作成
出品された作品は専門家によって査定され、状態や真贋などが確認されます。その後、オークションカタログが作成
③下見会
オークションに先立って開催される下見会で一般公開されます。この下見会では、入札希望者は実際に作品を見て、状態や品質を確認できます。
④オークション本番
オークション当日、参加者は競りを行い、最高額を提示した人が落札者となります。たとえば、絵画の場合、下見会で絵の具のひび割れや修復の跡などを確認し、納得した上でオークションに参加できます。
上記の流れを理解することで、アートオークションにスムーズに参加できます。
リザーブ価格と落札価格
オークションでは「リザーブ価格」と「落札価格」という2つの価格が存在します。
【リザーブ価格】
出品者が事前に設定する最低落札価格です。リザーブ価格を下回る入札額では、その作品は落札されません。つまり、出品者にとっての最低保証額となります。
【落札価格】
オークションで実際に落札された価格です。これは、競りを通じて決定されるため、リザーブ価格を上回る場合がほとんどです。
たとえば、リザーブ価格が500万円に設定された絵画に対し、オークションで700万円の最高額が提示された場合、落札価格は700万円となります。落札者は、この価格に加えて、オークションハウスに手数料を支払います。手数料は、落札価格に応じて変動し、通常は数パーセントから十数パーセント程度です。これらの手数料は、オークションハウスの運営費用などに充てられます。
このように、リザーブ価格は出品者にとっての保証価格となり、落札価格は市場の評価を反映します。オークションに参加する際は、これらの価格の意味を理解しておきましょう。
「初心者向け」オークションへの参加方法|ステップごとの手順
アートオークションは、高価な美術品が取引される特別な場所と思われやすいですが、手順を踏めば初心者でも参加できます。ここでは、オークションへの参加方法をステップごとにわかりやすく解説します。
オークションハウスへの登録と入札方法
オークションに参加するためには、オークションハウスへの登録が必要です。
オークションハウスは、美術品の売買を仲介する会社です。世界的に有名なオークションハウスには、サザビーズやクリスティーズなどがあります。日本国内にも、SBIアートオークションなど、さまざまなオークションハウスがあります。
【登録方法】
オークションハウスのウェブサイトや事務所で登録手続きを行います。登録には、身分証明書や連絡先などの情報が必要です。オークションハウスによっては、過去の美術品取引の経験などを聞かれる場合もあります。これは、参加者の信頼性を確認するためです。
【入札方法】
登録が完了したら、いよいよ入札です。主な入札方法には、以下のものがあります。
■会場入札
オークション会場で、参加者が直接競り合う方法です。手持ちのパドル(番号札)を上げて意思表示をします。映画などで見る光景を想像するとわかりやすいでしょう。
■電話入札
オークションハウスの担当者と電話で連絡を取りながら入札する方法です。会場に行けない場合に便利です。
■書面入札
事前に書面で入札価格を伝え、オークションハウスの担当者が代理で入札する方法です。
■オンライン入札
インターネットを通じてリアルタイムで入札する方法です。近年、利用者が増えています。
どの入札方法を選ぶかは、個人の都合や好みに応じて決められます。
下見会の活用と作品の確認
オークションの前には、出品作品を事前に見られる「下見会」が開催されることが一般的です。この機会を最大限に活用することで、オークションをより深く楽しめます。
以下に下見会の目的とポイントをまとめました。
【下見会の目的】
下見会では、出品作品を間近で確認できます。カタログやウェブサイトの写真だけではわからない、作品の質感や状態、保存状態などを自分の目で確かめることが重要です。たとえば、絵画であれば、絵の具の質感や筆致、キャンバスの状態などを確認します。彫刻であれば、素材や細部の仕上げなどを確認します。
【確認するポイント】
下見会では、以下の点に注意して作品を確認しましょう。
☑作品の状態
ひび割れ、傷、修復跡などがないかを確認します。
☑来歴
作品の過去の所有者や展示歴などがわかる資料があれば、確認しておきましょう。
☑真贋
必要に応じて、専門家に見てもらうことも検討しましょう。
下見会に参加することで、オークションへの理解が深まり、安心して入札に臨めます。わからないことがあれば、オークションハウスの担当者に質問しましょう。
オークションへの出品|出品の流れと注意点
所有する美術品をオークションに出品することは、作品を新たなコレクターに引き継ぐだけでなく、場合によっては大きな利益を得る機会にもなります。ここでは、出品の手順と注意点を詳しく解説します。
出品の手順と必要な手続き
オークションへの出品は、まずオークションハウスへの問い合わせから始まります。
具体的には、以下の6つの手順で進みます。
①オークションハウスへの問い合わせと作品の情報提供
出品を希望する作品の情報(作家名、作品名、制作年、素材、サイズ、来歴など)をオークションハウスに伝えます。
②作品の査定
オークションハウスの専門家が作品を査定し、オークションでの予想落札価格(エスティメート)を提示します。この査定は、作品の質、状態、市場での人気などを考慮して行われます。
③出品契約の締結
査定結果に合意すれば、オークションハウスと出品契約を結びます。契約書には、手数料、出品時期、リザーブ価格(最低落札価格)などが明記されます。
④作品の搬入
オークションハウスの指定する方法で作品を搬入します。輸送が必要な場合は、専門の業者を手配する必要がある場合もあります。
⑤カタログへの掲載と下見会
オークションに先立ち、作品はカタログに掲載され、下見会で一般公開されます。これにより、多くの潜在的な購入者に作品をアピールできます。
⑥オークション当日
オークション当日は、入札状況を見守ります。もしリザーブ価格に達しなければ、その作品は落札されません。たとえば、予想以上に多くの入札があれば、落札価格が見積もりを大きく上回ることもあります。
オークションへの出品は、問い合わせからオークション当日まで、複数の段階を経て進みます。各段階でオークションハウスのサポートを受けながら進めることができるため、はじめての方でも安心して出品できます。
出品における注意点とリスク
オークション出品には、成功の可能性と同時に、いくつかの注意点とリスクも存在します。
【注意点】
手数料:オークションハウスには、出品手数料や落札手数料を支払う必要があります。手数料はオークションハウスや作品によって異なります。
作品のコンディション:オークションに出品する作品は、良好な状態であることが望ましいです。状態が悪い場合は、査定額が下がる可能性があります。
【リスク】
真贋のリスク:出品作品の真贋(本物か偽物か)は重要な問題です。オークションハウスは真贋の保証はしませんが、専門家の意見や過去の来歴などを参考に判断します。
落札されないリスク:オークションに出品しても、必ず落札されるとは限りません。市場の状況や作品の人気によっては、リザーブ価格に達しないこともあります。
上記の点を理解した上で、オークションへの出品を検討しましょう。
オークションハウスの種類と特徴
オークションハウスにはそれぞれ特徴があり、得意とする分野や規模、サービス内容などが異なります。ここでは、主要なオークションハウスを紹介するとともに、自分に合ったオークションハウスを選ぶためのポイントを解説します。
主要なオークションハウスの紹介
世界的に有名なオークションハウス、サザビーズとクリスティーズに加え、日本のSBIアートオークションについて紹介します。
【サザビーズ】
印象派や近代美術、宝石などに強みを持ち、高額な取引で知られています。過去には数々の名画がサザビーズのオークションで落札されています。
【クリスティーズ】
クリスティーズは、オールドマスター(18世紀以前の西洋絵画)や装飾美術、ワインなどに強みを持っています。歴史的な美術品や希少なコレクションの取引で有名です。
【SBIアートオークション】
SBIアートオークションは日本を拠点とするオークションハウスで、近年注目を集めています。特に、現代アートや日本の伝統的な美術品の取引に強みを持ち、国内外のアート市場での存在感を高めています。オンライン形式のオークションにも積極的に取り組み、幅広い層のコレクターから支持を受けています。
上記以外にも、特定の分野に特化したオークションハウスや、地域密着型のオークションハウスなど、さまざまな種類があります。
オークションハウス選びのポイント
どのようにオークションハウスを選べばよいのでしょうか。重要なポイントは、自身の目的と扱う作品の種類です。
投資目的なら実績と信頼のある大手オークションハウスが適しています。サザビーズ、クリスティーズでは、将来的な価値上昇が見込める作品を見つけやすく、過去の落札価格推移を参考にできます。
特定のジャンルを探している場合は、その分野に特化したオークションハウスがおすすめです。専門知識をもつスタッフから質の高いアドバイスが得られることが多いです。
予算も考慮すべきポイントです。大手は高額作品が多い一方、中小規模では手頃な価格帯の作品が見つかります。初心者はリーズナブルな作品から始めるのも一案です。
さらに、手数料やサービス内容の比較も重要です。手数料率や、輸送手配や保険などのサービス内容はオークションハウスによって異なります。オンライン入札とアフターサービスの充実度も確認しましょう。
上記のポイントを踏まえ、自身の目的や予算、扱う作品の種類に合ったオークションハウスを選ぶことで、よりスムーズにアートオークションに参加できるでしょう。
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アートオークションの世界は奥深く、さまざまな楽しみ方があります。美術品だけでなく、スポーツ選手のプレミアアイテムにも注目することで、新たな発見があるかもしれません。
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